
寒暖差はありますが、暖かくなってまいりました。
時折、初夏を思わせる日もあります。平年より気温が高いような気がします。
この《平年》というのは、過去30年間の観測地値を平均したもので10年ごと見直されます。
2021年は平年値が更新される年にあたり、新しい平年値は1991年~2020年の30年間の観測値をもとに算出され、5月以降に更新されるそうです。
平均気温の平年値は全国的に0.1~0.5℃上昇しているとのことです。
2017年のパリ協定では、気温変動の影響を抑える為、産業革命以前(1850~1900年)に比べて気温上昇を1.5℃に抑える目標を掲げています。
世界気象機関(WMO)の報告では2020年の世界の平均気温は産業革命前平均に比べ約1.2℃上昇したということでした。
温暖化により、異常気象、食糧問題、健康、水位上昇等の影響があり、それに伴う弊害が私たちの生活と隣り合うわけです。
脱炭素に向けた行動は急務といえます。
日本でも2050年に二酸化炭素(CO2)の排出量を実質ゼロにする脱炭素社会の実現に向けた道筋を明確にする為に2030年迄の温暖化ガス削減の新たな目標の策定、行動が始まります。
日本は、原油産出国へ年間およそ20兆円流出しているという試算を目にしました。
それを積極的に国内の再生可能エネルギーの支援に回してほしいと思います。
また、新たなエネルギー、水素、アンモニア等の開発も進んでいると思いますが、資本主義のなかで、これからは、部分的に省エネなのではなく、サーキュラー・エコノミー(循環型経済)が重要だと思います。
大量生産・大量消費・大量廃棄をやめ、製品と資源の価値を可能な限り長く保全・維持し、廃棄物の発生を最小化した経済を指す。環境に配慮した設計をし、廃棄後の循環まで考える。それが、未来の子供たちに繋がるのです。
一人一人が考える時だと思います。
住宅にも、脱炭素に向けた動きがやっと見えてきました。
2021年4月1日から300㎡未満の住宅を設計する場合も省エネ性能に関する説明義務制度が始まります。
《建築士は建築主に対して省エネ基準への適合等について書面を交付して説明する建築主は省エネ基準に適合するよう努力義務》
※建築主が説明を希望しない旨の意思表示をした場合、説明は行われません。
2025年度には、新築住宅については省エネ基準の適合が義務付けする事になるでしょう。
日本の二酸化炭素(CO2)排出量の15%を占める家庭分野でも30年までに新築住宅から排出量をゼロにする目標をたて改革を進めていくことになります。
検討会では省エネ住宅の義務化に向けた財政や税制面での支援の議論が始まるようです。
支援には期待したいですね。
また。住宅の省エネルギー性能を年間の光熱費の目安に換算し表示する仕組みを2022年度にも設ける予定です。
これまで。断熱性能を示すUA値(外皮平均熱貫流率)などで省エネ性能が表示されていましたが、省エネ住宅であることが、より分かりやすく判断できるようになります。
お施主様が健康で、快適に長く住める家づくりのお手伝いをして、未来に残せるよう頑張っていきたいと思います。